prefix="og: http://ogp.me/ns# fb: http://ogp.me/ns/fb# article: http://ogp.me/ns/article#">  【アイテム深堀り】Saint Laurent 23ss Menを読み解く - Gumiのアトリエ

アイテム深堀り

 【アイテム深堀り】Saint Laurent 23ss Menを読み解く

  1. HOME >
  2. アイテム深堀り >

 【アイテム深堀り】Saint Laurent 23ss Menを読み解く

こんにちは!Gumiです!
サンローラン23ssがついに公開されましたね!
久しぶりのメンズランウェイコレクション、Gumiなりの解釈で読み解いていきます!

サンローラン23ssのコレクションテーマは【アンソニー・ヴァカレロ】と【イヴ・サンローラン】!?

23ssについて

2022年6月に公開された22aw menから1月足らずで公開された23ss men。前述したとおり、サンローランのメンズコレクションとしては実に1年ぶり(22ss )の
ランウェイコレクションとなりました。
22awのようなコレクションフォトももちろんいいですが、やはりステージギミックや躍動感が伝わるという意味で、ランウェイコレクションっていいですよね!

アガファイ砂漠に設置された円環のランウェイと月のようなライトモニュメント

今回のコレクションは、アーティスト兼舞台デザイナーであるエス・デブリンがデザインしたステージが使われています。
ショー開始時は無限に広がる砂漠とその中心にある円形の泉が舞台となり、終盤ではその泉から霧とともに現れる月の光のような優美さを持つ円形の光が現れます。
映画などでは、時の経過を表す際、日の沈みで表現をすることがありますが、まさに今回のショーもそのテクニックを使っていると言えるでしょう。

日が出ている間に全てのルックが出揃い、月が照らすもとで全員が列をなしながら泉を中心とした円環の周りを歩く。非常に美しい光景でしたね。

22awから登場したジェンダーレスへの挑戦的アイテム「ジギー」

詳細は下記にて取り上げますが、今回のコレクションでも22awから(いや、むしろもっと前から)続くジェンダーという要素が取り入れられています。
しかし、22awのような分かりやすい特徴は少なく、より自然体で当たり前のような表情でそこにある、という印象です。
(22awの象徴的なアイテムであるジギーは今回でも見られましたね)

アンソニー・ヴァカレロ要素

続いてはアンソニー・ヴァカレロの要素を見ていきましょう!
彼自身、インタビューで「今回のショーでは初めて、最もパーソナルなコレクションを発表した」と語っていました。
一体どういう意味でしょう?

VOGUEの記事から読み取れる情報として、20年ほど前、彼が在籍していたブリュッセルの美術学校ラ・カンブルらしさが現れているとされています。
特徴としては「テーラードのシルエットははっきりとしつつ、生地の柔らかさやボリューム感によるシワが見られる」
「トレンチコートは肩のラインこそシャープなものの、魅惑的な流動性がある」とのことです。

美しいシルエットを保ちつつ、豊富な生地量から生まれるシワがキーポイント

確かに、今回のコレクションでは風の流れを感じられるような流動性のあるアイテムが多かったように感じられます。
しかし、それはあくまで体のラインを美しく魅せるシルエットとなっており、ヨウジヤマモトやコムデギャルソンのようなボリューム感とはまた違います。
以前書いたアンソニー・ヴァカレロについての記事でも触れましたが、彼は黒を貴重としたシックでセクシーなラインを作ることが非常に得意なデザイナーです。
それ故、エディ・スリマンが打ち立てたサンローランらしい細身のスタイルとはまた違ったアプローチで美しさを表現したのでしょう。

イヴ・サンローラン要素

さて、実は今回のコレクション、これまで以上にブランド創業者であるムッシュ・イヴ・サンローランのエッセンスが散りばめられたコレクションとなっていました。
以前書いたアンソニー・ヴァカレロについての記事やサンローラン22awの記事でも触れてきましたが、2016年からサンローランのクリエイティブ・ディレクターとなった
アンソニー・ヴァカレロはムッシュ・イブ・サンローランへのリスペクトが非常に強いデザイナーです。
それ故、例年のコレクションでもイブらしさを取り入れたアイテムは数多く有りましたが、本コレクションはとりわけその要素が多く感じられました。

それでは私が感じ取ったイブの要素を見ていきましょう!

ある種懐かしいと感じられるロゴ

コレクションの動画から真っ先に読み取れるイヴのエッセンスはこれでしょう。

オープニングから採用されているロゴは、現在使われているヘルベチカフォントのものではなく、イヴが使用していたカサンドラフォントを使ったものが採用されていました。
もちろん、当時と違いYvesの表記はなくなっていますが、なんとも懐かしいというか、(今でもコスメラインで使われていますが)郷愁を誘う字体ですよね。

力強いエレガンスを感じられるカサンドラロゴ。Yves表記がないだけで新鮮ですね。

今回、彼があえてカサンドラのロゴを使用した意図は明らかになっていませんが、イヴへのリスペクトからくるものであることは疑いようがないでしょう。

イヴゆかりのロケーション

今回のコレクション会場となった砂漠地帯はモロッコの都市マラケシュ付近にあるアガファイ砂漠という場所です。
察しのいい方ならすでにお気づきかとは思いますが、マラケシュはイヴが公私ともにパートナーであったピエール・ヴェルジェと共に日々を過ごした地です。

詳細を知りたい方は是非映画「イヴ・サンローラン」を観ることをおすすめいたします。
イヴの半生が描かれた映画で、こちらでも詳しく解説していますが、当時コレクションで実際に使用された衣装などを使用しており、
かなり見ごたえのある映画となっています!

ちなみにマラケシュには、イヴ・サンローラン マラケシュ美術館という彼を記念した美術館まであります。
ブランドの聖地はもちろんパリですが、サンローラン好きならモロッコは一度は訪れたい地ですよね!

モロッコにあるサンローラン美術館。
これだけのためにモロッコへ行きたいと感じます笑

66年の代表的コレクション「ル・スモーキング」

ル・スモーキングとは皆様御存知の通り、1966 awのウィメンズコレクション(当時はメンズはそもそもありませんが)にてイヴ・サンローランが繰り広げた
伝説的なコレクションです。
当時はタブー視されていた女性のパンタロンスーツスタイルを確立させた本コレクションから、サンローランというブランドにおけるスモーキングジャケットの
絶対的な象徴性が確率されました。

男性を引き立たせるのではなく、反対に食って掛かる。
女性の独立という社会性を反映させたル・スモーキングコレクション。
男性よりも似合っていると感じられます。
同じく66年ル・スモーキングのキャンペーン写真より。

それ以降、サンローランの中ではスモーキングジャケットは特別な存在となっています。
前任のデザイナーであるエディ・スリマンはスモーキングジャケットをブランドの定番品としてコレクション関係なしにいつでも購入できるようにもしていました。

そんな特別な存在であるスモーキング。今回のコレクションでもシングル・ダブル含め様々なスタイルのスモーキングジャケットが登場しました。
また、ジャケットだけでなく、パンツ単体でもスモーキングのようなラインの入った物が数多くありました。

ちなみに余談ですが、66年のル・スモーキングはジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の作品であるモロッコという映画から
インスピレーションを受けたとされています。
今回の会場もモロッコ。不思議な縁ですね。

1930年公開の映画「モロッコ」より。

これだけの要素を取り入れても古臭さが全く感じられないのは、イブの圧倒的センスが故か、
はたまたアンソニーの官能的なテクニック故か。
モダンとクラシックのバランスが絶妙なコレクションとなりましたね!

Gumiイチオシ!要注目アイテムはこれ!

イヴらしさが溢れたまさにサンローランを象徴するかのような今シーズン。
個人的おすすめアイテムを5つ紹介していきます!
あなたの思うベストバイアイテムがあれば、コメントもしくはインスタグラムのDMで教えて下さいね!

それでは行きましょう!

スモーキングセットアップ

要注目アイテム1つ目はシングルのスモーキングセットアップです。

パーマネントで出ているものと違い、ジャケットはノッチドラペルで幅広のラペルとなっています。

look3 パンツのシルエットがかっこよすぎませんか?

個人的要注目ポイントはパンツで、パーマネントやこれまでのサンローランのような細身のシルエットではなく、66年ル・スモーキング当時のような
少しゆとりのあるシルエットとなっております。
アンソニー・ヴァカレロらしい体のラインを出さずとも、シックでセクシーなシルエットとなっているのが分かりますでしょうか?

66年当時は女性が男性服を着るというのが一つのコンセプトで、シルエットもそれになぞらえていましたが、
本アイテムはどちらかといえば女性的(というかル・スモーキング的)だと私は感じます。

そんなジェンダーの垣根を超えた本アイテムが、個人的要注目です!

レザートレンチコート

個人的要注目アイテムその2はレザーのトレンチコートです。

look16 レザートレンチコートって永遠の憧れです。
正面からのシルエット。
肩のラインがシャープかつしっかりとしているため、
シェイプされたウエストがより強調されますね。

22awでも要注目アイテムとして登場したトレンチコート。
今回のシルエットは前述したとおりアンソニー・ヴァカレロゆかりのベルギーらしいシャープな肩のラインと流動性を生み出す生地の使い方が特徴です。

是非ランウェイ動画も見てみてほしいのですが、ウエスト部分も非常に絞りが強く、力強いシルエットとなっているのに、動くと柔らかい女性らしさが出てくる。
そんなアイテムに魅力を感じるのは私だけでしょうか?

ベロア素材のデニム

お次のイチオシアイテムは詳細不明ですが、おそらくベロア素材を使用したデニムです!

look30 ヴェルヴェット素材のパンツは今季の代表的なアイテムでもあります。

VOGUEの特集でも書かれていましたが、今回は「ヴェルヴェットを使用した甘美なデニム」が公開されています。
おそらく写真のアイテムじゃないかな?と思っています!

コレクションを見た印象としては、とにかくシルエットが美しい、そして柔らかくエレガントなニュアンスのパンツだと感じました。
今回のコレクションでも多くあった細身のシャツに柔らかく生地量が多いパンツを合わせたスタイリングに間違いなくハマるアイテムだと感じ、
イチオシに加えました!

アイテムの詳細が分かり次第、インスタグラムの方でもお伝えしますので是非フォローお願いします!

ツートーンカラースカーフ

お次の要注目アイテムは2トーンのスカーフです!

サンローランでは毎シーズン、スカーフやラバリエが発表されています。
今シーズンでもポルカドットのスカーフやブラックフローラルのラバリエなどが使用されていました。

そんな中で、今回私が見逃せない!と感じたのは2トーンのスカーフです。
ショーでは柄も含めて3種類のアイテムが発表されていましたね。

look15で登場した赤/黒のスカーフ。
非常にエレガントですね。
look41で登場した黄/黒のスカーフは、look15の物よりも
幅広で形も異なりますね。

ぱっと見た感じ2トーンのリバーシブル、もしくは切り返しで色を変えているアイテムです。
春夏らしい爽やかさを演出でき、リアルクローズとして大活躍してくれそうな予感がします!

スモーキングロングジャケット

23ss要注目アイテム、ラストはlook49に登場したスモーキングタイプのロングジャケット(もしくはコート)です。

look49よりロングタイプのダブルスモーキングジャケット。
誰が見てもかっこいいと思えるアイテムではないでしょうか?

もはや説明不要の美しさだとは思いますが、66年ル・スモーキングを彷彿とさせるサンローランらしいスモーキングとなっています。
ダブル仕立てになっており、ランウェイで歩く姿が非常に印象的でした。
風でなびく姿はその印象の余韻を残すエッセンスとなっていて、力強くも甘美なアイテムだと感じられます。

以上、要注目アイテム5選でした!
22awと違い、まだ各アイテムの詳細が全く明かされていないため、
憶測を含む形となりましたが、非常に楽しみなシーズンですよね!

本日の格言

Il n'existe pas un noir, mais des noirs.
-ただひとつの黒が存在するのではありません。多くの黒が存在するのです。-

Yves Saint-Laurent

終わりに

全世界大注目のサンローラン23ss men。その魅力が少しでも伝わっていたら嬉しいです!
にしてもアンソニーのコレクションからはイヴへのリスペクトがひしひしと伝わってきますよね。

今後特集してほしい内容や質問、ご意見などあれば私のインスタグラムのDMへお送りください!
皆様のDM心よりお待ちしています!

それでは!

-アイテム深堀り
-, , , , ,